コンチェルトも入った豪華メニュー
新春を華やかに彩るニューイヤーコンサート。ウィーン流のワルツとポルカを中心としたプログラムもあれば、独自路線の工夫を凝らした選曲もあって、オーケストラによってそのスタイルは様々だ。
日本フィルの『ニューイヤーコンサート2014』は“ハイブリッド型”ニューイヤーとでも言うべきか。モーツァルトの《フィガロの結婚》序曲で幕を開け、シベリウスのヴァイオリン協奏曲が演奏され、「芸術家の生涯」「トリッチ・トラッチ・ポルカ」「美しく青きドナウ」他のシュトラウス・ファミリーの名曲へと続く。ウィンナ・ワルツも聴きたいけれど、そればかりでは少々飽きてしまうという方にはぴったりのプログラムだ。
シベリウスで独奏を務めるのは同楽団ソロ・コンサートマスターの木野雅之。デビュー30周年を記念して、本人がこの曲を選んだという。名手による渾身のソロに期待が高まる。
指揮は阪哲朗。2009/10シーズンよりドイツのレーゲンスブルク歌劇場で音楽総監督を務めている。ウィーン・フォルクスオーパーをはじめ、ドイツ語圏の歌劇場で経験を積みあげてきた、日本人には数少ない現場の叩き上げタイプの実力者だ。その阪によるシュトラウス・ファミリーの音楽という点でも興味をひかれる。オーケストラとの対話性に富んだ、洒脱で生気あふれるワルツとポルカを披露してくれるのではないだろうか。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2014年1月号から)
第208回サンデーコンサート
★2014年1月12日(日)・東京芸術劇場
問 日本フィル・サービスセンター03-5378-5911 http://www.japanphil.or.jp
ローチケLコード34435