若き逸材たちが集う協奏曲の夕べ
コンサートの副題は「新進芸術家海外研修制度の成果」。この制度は文化庁が美術、音楽、舞踊、演劇、映画など、メディア芸術の各分野における新進芸術家が、海外で実践的な研修を受けられるよう援助するもので、これまでに3,500名もの芸術家を送り出している。ヴァイオリニストの諏訪内晶子もその一人である。
今回のコンサートに登場するのは、4名のアーティスト。それぞれの留学先は、ピアノの加藤大樹がミュンヘン、同じくピアノの石井楓子がバーゼル、コントラバスの菅沼希望がフランクフルト、ヴァイオリンの猶井悠樹がライプツィヒ。皆、すでに第一線で活躍している。
第7回東京音楽コンクール ピアノ部門第1位、第9回パデレフスキ国際ピアノコンクール第3位ほかの輝かしい入賞歴がある加藤は、シューマン「ピアノ協奏曲」を弾く。第82回日本音楽コンクール ピアノ部門を制した石井は、ショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第1番」に挑む。新日本フィルの首席としても活躍している菅沼は、ボッテジーニ「コントラバス協奏曲第2番」を弾く。小澤征爾音楽塾でコンサートマスターを務め、現在NHK交響楽団第1ヴァイオリン奏者の猶井は、ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」を弾く。バックはいずれも高関健指揮の東京シティ・フィルが務める。
4人が留学で得た成果を披露するこのコンサートは、伸び盛りの若手演奏家の旬の演奏を聴くまたとない機会ともなるだろう。
文:長谷川京介
(ぶらあぼ2020年12月号より)
2020.12/7(月)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:日本オーケストラ連盟03-5610-7275
https://www.orchestra.or.jp