【SACD】アランフェス/河野智美

 ここ10年で成功めざましいギタリスト河野智美の最新作。これまでにリリースされたアルバムすべてが高評価を得ていることでも注目の彼女だが、今回も2020年1月にサントリーホールで行われた東京フィル(指揮:梅田俊明)との共演コンサートのライブ録音、しかも巨匠ロドリーゴの2大コンチェルトに挑戦と、期待を裏切らない。実際に宮殿を訪れて体感したという、作曲家が作品に込めた想いを丁寧に織り上げたかのような「アランフェス協奏曲」も、原曲となったガスパール・サンスの優雅な世界がハーモニーから垣間見えてくる「ある貴紳のための幻想曲」、ともに見事。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2020年12月号より)

【information】
SACD『アランフェス/河野智美』

ロドリーゴ:アランフェス協奏曲、ある貴紳のための幻想曲/J.S.バッハ:G線上のアリア~管弦楽組曲第3番 第2曲エア

河野智美(ギター)
梅田俊明(指揮)
東京フィルハーモニー交響楽団
八木大輔(ピアノ)

収録:2020年1月、サントリーホール(ライブ)
アールアンフィニ(ソニー・ミュージックダイレクト/ミューズエンターテインメント)
MECO-1059 ¥3000+税