クレア・フアンチ(ピアノ)

注目のピアニストがベートーヴェン・イヤーに奏でる希少な協奏曲

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 クレア・フアンチは2011年のミュンヘン国際音楽コンクールで最年少にして第2位を獲得、18年にはチューリヒで行われたゲザ・アンダ国際ピアノコンクールで優勝を果たしたピアニスト。ドイツを中心に世界中で数々の演奏会や音楽祭に出演し、ショパンにラフマニノフからスカルラッティまで幅広いレパートリーを誇る彼女が、今年生誕250年を迎えたベートーヴェンのピアノ協奏曲ニ長調op.61aを神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共演する。

 このピアノ協奏曲はベートーヴェンの作品ではあるが、「皇帝」までの5つのピアノ協奏曲とは違う創作背景を持っている。これはベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲ニ長調op.61を作曲者自身がピアノ協奏曲へと編曲したもの。全体は原曲と大きく変わらないが、随所で違った音型や表現が聴こえ、新たなベートーヴェンに出会える作品となっている。この公演は、なかなか演奏会では聴くことのできない楽曲を、今注目のピアニストが披露してくれるまたとない機会となろう。

 オーケストラを牽引する指揮者はガブリエル・フェルツ。ハンブルク州立歌劇場でゲルト・アルブレヒトの助手を務めた後、ドイツの様々な劇場で首席指揮者や音楽監督を務め、現在はドルトムント市の音楽総監督、ドルトムント・フィルの首席指揮者。ドイツを中心に活躍の幅を広げるマエストロだ。マーラーの演奏でも評価の高い彼が振るラフマニノフの「交響的舞曲」にも注目したい。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2020年7月号より)


*指揮者のガブリエル・フェルツ、ピアノのクレア・フアンチは、渡航制限の理由により来日が困難となったため、本公演は出演者・曲目を変更して開催となります。
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 定期演奏会 みなとみらいシリーズ 第362回
2020.8/22(土)14:00 横浜みなとみらいホール
問:神奈川フィル・チケットサービス045-226-5107 
https://www.kanaphil.or.jp