第50回ENEOS音楽賞(旧・JXTG音楽賞)が決定し、洋楽部門本賞はソプラノの佐藤美枝子、奨励賞は古楽アンサンブルのアントネッロ(主宰:濱田芳通)、邦楽部門は伶楽舎が受賞した。同音楽賞は1971年に創設され、音楽文化の発展・向上に大きな業績を挙げた個人や団体に贈られている。
佐藤は、98年チャイコフスキー国際コンクール優勝で世界的な注目を集め、以後20年以上にわたって高度なコロラトゥーラの技巧と伸びやかなベルカントを生かして様々なオペラで活躍。「自身の年齢や声の変化に応じて表現の幅を無理なく広げることに成功」し、2020年2月の藤原歌劇団《リゴレット》ではジルダの歌唱において「大器ぶりを実証した」として高い評価を得た。
アントネッロは、古楽アンサンブルの中でも大胆とも言える創造的アプローチで知られる。レオナルド・ダ・ヴィンチが関わったとされる祝祭劇《オルフェオ物語》を舞台化した試みなど、中世からバロック期までの様々な音楽を「復元」する挑戦が「聴く者の心を捉え、想像力を刺激する。外部の演奏家を結集させる企画力も秀逸」として今回の受賞となった。
伶楽舎は1985年の発足より、故・芝祐靖のもと国内外で幅広い活動を続けてきた雅楽演奏グループ。雅楽古典曲以外にも、新作曲や廃絶曲の復曲に意欲的に取り組み、「雅楽の可能性の開拓と奏者個々人の音楽的挑戦をともに追究し、比類ない実績を挙げてきた」ことが評価された。
JXTGホールディングス
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