若き日のソナタの瑞々しさと中期の傑作をじっくりと味わう
解釈、演奏ともに難易度の高い現代音楽、そしてバッハの鍵盤作品を重要なレパートリーとして、堅実に実績を積んでいるピアニスト近藤伸子。2019年3月からは、新たな地平としてベートーヴェン作品のコンサートシリーズ「Kondo Nobuko Plays Beethoven」を始動。12月26日の第2回は、ベートーヴェンがウィーンに出たばかりの頃に作曲した、瑞々しさの光るピアノ・ソナタ第2番、第3番、ピアニストとしての頭角を現し始めた頃の第7番、8番「悲愴」という、ウィーン時代初期の4つのソナタが披露される。またこのシリーズでは、ピアノを含む室内楽作品が演奏されるのも大きな魅力だ。今回は名チェリスト河野文昭を迎え、「チェロの新約聖書」とも称されるチェロ・ソナタ第3番を取り上げる。明晰かつ叙情的な近藤の読み解きのもと、ベートーヴェンの音楽が今、生誕250年を目前に次々と紐解かれていく。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2019年12月号より)
2019.12/26(木)19:00 東京文化会館(小)
問:東京コンサーツ03-3200-9755
http://www.tokyo-concerts.co.jp/