真夏に出会う新鋭たちの音楽にときめく
夏休み恒例、読売日本交響楽団のサマーフェスティバル「三大協奏曲」。ヴァイオリン、チェロ、ピアノ、それぞれの協奏曲の傑作を楽しむだけでなく、それぞれの楽器の新しい才能に出会えるのが、このコンサートの魅力である。
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲で独奏を務める髙木凜々子は横浜市出身。2019年、東京藝術大学を卒業。17年、ブダペストで開催された第1回バルトーク国際ヴァイオリン・コンクールで第2位、18年の第16回東京音楽コンクールでも第2位に入賞している。
ドヴォルザークのチェロ協奏曲を弾くアレクサンドル・ラムは、1988年、ウラジオストク生まれ。2015年のチャイコフスキー国際コンクールで第2位に入賞した。昨年、ブリテンの無伴奏チェロ組曲全集を録音するなど意欲的な活動を続けている。
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を演奏するアレクサンダー・マロフェーエフは、01年モスクワ生まれ。ジュニア世代の国際コンクールで数多く優勝。すでに、ワレリー・ゲルギエフの指揮の下でも、チャイコフスキーの第1番を弾くなど、ロシア音楽界の期待の星となっている。
指揮のマルチェロ・レーニンガーはブラジル出身。すでに、ボストン響、シカゴ響、ベルリン・ドイツ響などのメジャー・オーケストラを指揮している。誰もが知る名曲を新しい世代のソリストたちはどう演奏するのだろうか。これからの音楽界を担う若者たちの演奏に注目したい。
文:山田治生
(ぶらあぼ2019年8月号より)
2019.8/21(水)18:30 東京芸術劇場 コンサートホール
問:読響チケットセンター0570-00-4390
https://yomikyo.or.jp/