モスクワ音楽院教授陣によるマスタークラスとコンサート
楽器を豊かに響かせ、旋律をたっぷりと歌い、聴く者の心を魅了するロシア・ピアニズム。ゲンリヒ(ゲンリフ)、スタニスラフのネイガウス親子やウラディーミル・ソフロニツキー、そしてスビャトスラフ・リヒテルといった伝説的なピアニストたちはこの奏法を駆使してきた。こうした伝統を継承し、多くの優れたピアニストを輩出してきた講師陣の技術や音色を間近で体験できるマスタークラス「ロシアン・ピアノスクール in 東京」が今年も開催される。
昨年より音楽監督には国立モスクワ音楽院ピアノ科教授アンドレイ・ピサレフ教授が就任。ピサレフは、19世紀ロマン派の奏法を受け継ぐ、真のロシア・ピアニズム継承者であるグリゴリー・ギンズブルク直系であり、国際コンクール入賞者を100名以上輩出しているセルゲイ・ドレンスキーに師事したピアニストだ。同じくドレンスキーの薫陶を受けたピアノ科教授のパーヴェル・ネルセシヤンと共にマスタークラスを担当する。両名ともロシア音楽はもちろん、バッハから古典、ロマン、近現代等、幅広い作品に精通し、これまでの受講生は、モントリオール、仙台に浜松をはじめとする多数の国際コンクールに入賞し、輝かしい結果を残してきた。
参加部門として、高校・一般コースに加えて、プロフェッショナルコースを開講し、第17回となる今年は4月1日から5月31日まで受講生を募集している。また期間中は一般聴講が可能で、講師によるハーフ・コンサートも開催される(8/12, 8/13)。ロシアの深く豊かな音色に触れられる貴重な機会となるはずだ。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2019年5月号より)
2019.8/11(日・祝)〜8/15(木) カワイ表参道
問:カワイ音楽振興会「ロシアン・ピアノスクール in 東京」事務局03-5485-8511
http://kawai-kmf.com/rps/2019/