“ファミリー”で織りなす北欧とドヴォルザークの詩情
国際的なチェリストとして世界を駆けまわる水谷川優子が、毎年1回、仲間たちと共にバラエティに富んだプログラムを用意して、大切に開催し続けている「チェロリサイタル・シリーズ」。12回目となる今回は、2019年が日本・フィンランド外交樹立100周年であることを記念し、ラルフ・ゴトーニ(ピアノ)とマーク・ゴトーニ(ヴァイオリン)、フィンランドを代表する名手の父子を迎える。実はマークは水谷川のパートナー、ラルフは義父。長く共演を重ねる“ファミリー”での出演ということで、この記念の回への特別な意気込みが伝わる。
前半は、シベリウスの小品に、作曲家でもあるラルフ・ゴトーニの新作初演、ゴトーニ家と親交があるというマッティ・ラウティオの佳品と、他では聴けないフィンランド作品集を。メインはあえて北欧を離れて、3人で最も弾きこんでいる曲というドヴォルザークのピアノ三重奏曲「ドゥムキー」を。最高の自信作での水谷川(ゴトーニ)ファミリーの交歓は見逃せない。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2019年4月号より)
日本・フィンランド外交樹立100周年記念
水谷川優子 チェロリサイタル・シリーズ vol.Ⅻ
2019.5/10(金)19:00 紀尾井ホール
問:コンサートイマジン03-3235-3777
http://www.concert.co.jp/