【SACD】ショパン:ピアノ協奏曲第1番、演奏会用アレグロ/江崎昌子&飯森範親&日本センチュリー響

 ショパン独奏作品全曲録音で優れた成果を残している江崎昌子がいよいよ協奏曲第1番をリリース。昨年の日本センチュリー響の定期のライヴで、会場での感動が蘇る。ソロの冒頭からリズムの切れ味が良く、響きに深みがあり、心のこもった歌がとても美しい。早いパッセージでも繊細に表情づけられる一方、飯森範親指揮のオケの豊かなトゥッティとも堂々と対峙する。明晰な解釈と凛とした佇まいが江崎の美質である。それは抒情的な緩徐楽章でも、キリリと引き締まった終楽章でも遺憾なく発揮される。もともと協奏曲用に書かれた「アレグロ」の味わい深い演奏とともに大いに楽しめるアルバムだ。
文:横原千史
(ぶらあぼ2018年6月号より)

【information】
SACD『ショパン:ピアノ協奏曲第1番、演奏会用アレグロ/江崎昌子&飯森範親&日本センチュリー響』

ショパン:ピアノ協奏曲第1番、演奏会用アレグロ

江崎昌子(ピアノ)
飯森範親(指揮)
日本センチュリー交響楽団

収録:2017年4月、ザ・シンフォニーホール(ライヴ) 他
オクタヴィア・レコード
OVCT-00135 ¥3200+税