オペラ《魔笛》のエッセンスを見事に凝縮
毎回、意欲的な演目で多くの聴衆を魅了している神奈川県民ホール・オペラ・シリーズ。今年度は、ホールが改修工事で休館していることに伴い、横須賀芸術劇場と相模女子大学グリーンホールで来年3月に公演が実施される。演目は、2013年にオーストリアのリンツ州立劇場で初演され大評判となった宮本亜門演出によるモーツァルトの《魔笛》。この公演に先立って、2月に南足柄市文化会館と秦野市文化会館でハイライトコンサートが開催される。
《魔笛》は子どもから大人まで楽しめる冒険ファンタジーであり、またオペラ入門としても最適な作品。ハイライトコンサートは、〈復讐の炎は地獄のように我が心に燃え〉や〈パパパの二重唱〉など、誰もが一度は耳にしたことのあるアリアや重唱が次から次へと登場する1時間だ。しかも、本場ドイツのオペラハウスで経験を積み、日本でも多くの舞台を演出している太田麻衣子が演出を担当。観て楽しい、聴いて心にしみるドラマを作り上げる。セリフは日本語、歌はドイツ語だが日本語字幕がついているので安心してお出かけいただきたい。出演するのは、斉藤園子(夜の女王)、髙崎翔平(ザラストロ)、横森由衣(パミーナ)、澤原行正(タミーノ)、本田ゆりこ(パパゲーナ)、堤智洋(パパゲーノ)といった確かな実力を持った期待の若手歌手たち。フレッシュな魅力満載の彼らの中から「次のスター」が登場するかも?! チケット料金も1000円とたいへんお得。オペラの入門編としてまたとない機会であるのはもちろん、3月の本番の予習としても最適。このコンサートで、オペラの世界の扉を開いてみてはいかが。
文:室田尚子
(ぶらあぼ2017年12月号より)
2018.2/1(木)14:00 南足柄市文化会館(小)
2018.2/2(金)14:00 秦野市文化会館(小)
問:チケットかながわ0570-015-415
http://www.kanagawa-arts.or.jp/