“ドイツ・リートの正統派”が描く名作歌曲の内奥
艶やかな美声でテクストを深く掘り下げ、オペラからリート、現代作品までを歌いこなすドイツのバリトン、ディートリヒ・ヘンシェル。“フィッシャー=ディースカウの後継者”と目される名手が日経ミューズサロンに登場し、ベートーヴェンとシューマンのリートの魅力を詳らかにする。
ベルリン出身。1990年にフーゴー・ヴォルフ・コンクールを制し、リヨン歌劇場とベルリン・ドイツ・オペラで国際的なキャリアを開始。欧州各地の一線歌劇場やザルツブルクはじめ主要音楽祭へ出演を重ね、リート歌手としての評価も非常に高い。近年は、リートの世界観を舞台版で視覚化するプロジェクトにも取り組み、注目を集めている。
今回のパートナーには、歌曲解釈に定評があり、ヘンシェルとの共演も多いピアノの名手・岡原慎也。まずは、「アデライーデ」「遥かなる恋人に寄す」など、多ジャンルとは少し趣の異なる、ベートーヴェンの“歌”の世界をじっくりと。そして、後半ではシューマン「詩人の恋」全曲を歌い上げる。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2017年8月号より)
2017.9/13(水)18:30 日経ホール
問:日経ミューズサロン事務局03-3943-7066
http://www.nikkei-hall.com/