エモーショナルな“音のドラマ”に期待!
名匠ファビオ・ルイージが初めて読売日本交響楽団の指揮台に立つ。チューリヒ歌劇場の音楽総監督、メトロポリタン・オペラの首席指揮者他の要職を務め、世界各地の歌劇場とオーケストラに客演するルイージは今もっとも多忙な指揮者かもしれない。日本にもたびたび訪れて、セイジ・オザワ 松本フェスティバルやN響定期公演他で名演を聴かせてくれている。
そんなルイージが読響との共演にあたって選んだのは、ハイドンの交響曲第82番「熊」、R.シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」と交響詩「英雄の生涯」の3曲。驚異的に幅広いレパートリーを誇るマエストロだが、いずれも得意の曲目といっていいだろう。ハイドンの「熊」は2015年のセイジ・オザワ松本フェスティバルでの演奏が好評を博した。ハイドンの音楽が持つ形式美やユーモア、愉悦と躍動感を存分に伝えてくれるのではないか。
R.シュトラウスの両作品では、オーケストラの機能性をどこまで引き出してくれるのかが楽しみ。常任指揮者シルヴァン・カンブルランのもと、一段と精妙で色彩的な響きを獲得した読響であるが、おそらくルイージとの間にはまた一味違った化学反応が起きるはず。緻密なサウンドをベースに築きながらも、そこにライヴならではの“熱さ”を積み上げるのがルイージの魅力だ。壮麗かつエモーショナルな音のドラマを生み出してくれるにちがいない。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2017年8月号より)
◆読響サマーフェスティバル2017 ルイージ特別演奏会
2017年8月24日(木) 19:00 東京芸術劇場
2017年8月25日(金) 15:00 横浜みなとみらいホール
指揮=ファビオ・ルイージ
R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
ハイドン:交響曲第82番「熊」
R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」
一般発売:5月20日(土)
チケット料金:S席6,000円 A席5,000円
学生(25歳以下)席 2,000円(横浜みなとみらいホールのみ)
問:読響チケットセンター0570-00-4390
http://yomikyo.or.jp/