エリシュカが今年10月、日本での最後の指揮台へ

ラドミル・エリシュカ
Photo:佐藤雅英
 札幌交響楽団(札響)名誉指揮者のラドミル・エリシュカが、今年10月の札響との定期演奏会を、最後の来日公演とすることを決断した。22日、札響が発表した。去る3月14日に札響東京公演を指揮したエリシュカが、チェコへ帰国後に体調を崩し、主治医の判断で今後の日本などへの長旅を止められたことによるものとしている。

 しかし、エリシュカの「これで終わりにしたくない。医師の判断に反しても10月に札響の皆さん、札幌の皆さん、日本の皆さんの前でもう一度指揮をしたい。10月に向けて体力を取り戻す努力をする」との希望から今年10月に予定されている公演は行い、日本の音楽ファンへの別れの挨拶とする考えだ。

 札響公演では、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」が予定されていたが、エリシュカの強い要望によりリムスキー=コルサコフの「シェエラザード」に変更する。「シェエラザード」は、エリシュカが2006年12月に初めて札響を指揮した際に取り上げた、いわばエリシュカと札響との“出会いの曲”。

 エリシュカは10月に大阪フィルも指揮する予定だが、2018年5月に予定されていた新日本フィルハーモニー交響楽団定期演奏会での指揮はキャンセルする。


【ラドミル・エリシュカ 今後の来日公演予定】

大阪フィルハーモニー交響楽団 第512回定期演奏会
10/19(木)、10/20(金)各日19:00 フェスティバルホール

出演:木下美穂子(S)、青山貴(B)、大阪フィルハーモニー合唱団

曲目:ドヴォルザーク
/伝説曲 op.59より第1〜4曲
/テ・デウム op.103  
/交響曲第6番ニ長調 op.60

問:大阪フィル・チケットセンター06-6656-4890 
http://www.osaka-phil.com/


札幌交響楽団 第604回定期演奏会
10/27(金)19:00、10/28(土)14:00 札幌コンサートホール Kitara

曲目:
スメタナ/歌劇「売られた花嫁」序曲
ドヴォルジャーク/チェコ組曲ニ長調 op.39
リムスキー=コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」op.35 (曲目変更)

問:札幌交響楽団011-520-1771 
http://www.sso.or.jp/


*以降の来日の予定はキャンセルされ、2018年5月12日に出演が予定されていた新日本フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会は、指揮者交代となる。同公演の指揮者およびプログラムについては、現在調整中で、決定次第、新日本フィル公式サイト、定期演奏会会場、DM等で告知する。
問:新日本フィル・チケットボックス03-5610-3815
http://www.njp.or.jp/