世界を驚かせるチェロの才人が待望の再来日
「心の豊かさを与えてくれる」と、世界中の聴衆から絶賛されているポーランド出身のチェリスト、マレック・シュパキエヴィッチ。彼が紡ぐ響きには、豊潤な音色と的確なテクニック、楽曲の全体像を捉える構築力と細部を余さず掬い取る緻密さなど、複層的な要素が同居している。アメリカの名門・南カリフォルニア大学などで学び、数々の国際コンクールを制して、ヨーロッパ各国で活動を展開。その一方、共同で手掛けた映画『ネバーランド』の音楽が、第77回アカデミー作曲賞を受賞するなど、多才の人物でもある。
昨年の初来日に続いて、室内楽の名手として知られる上海出身のピアニスト、ジアイ・シーと共演するリサイタル。ショパン「序奏と華麗なポロネーズ」やラフマニノフの名ソナタとシュパキエヴィッチのルーツにかかわるスラヴ系作曲家、そして、「自分の音楽を方向づけた」というアメリカ作品からガーシュウィン「3つの前奏曲」を、自らの編曲で披露するなど、人生と信念を織り込んでゆく。
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2016年10月号から)
10/29(土)16:00 トッパンホール
問:1002(イチマルマルニ)03-3264-0244
http://www.1002.co.jp