親密な空間で聴く生命力あふれるベートーヴェン
杉並公会堂開館10周年を記念して、小林研一郎指揮日本フィルによるベートーヴェンの交響曲ツィクルスが開催されている。「炎のコバケン」の愛称で親しまれるマエストロと日本フィルは長年にわたる名コンビ。マエストロの熱い思いをこれほど音にして表現できるオーケストラはないだろう。
9月には全6回公演のツィクルスの第3回として、交響曲第2番と第7番の2曲が演奏される。交響曲第2番はいまだハイドン、モーツァルトら先人の影響の濃い初期作品とされるが、起伏に富んだダイナミズムはベートーヴェンならでは。そして、交響曲第7番では熱狂的なリズムの饗宴がくりひろげられる。このコンビらしい生命力あふれるベートーヴェンが期待できそうだ。
また、会場の杉並公会堂は約1200席ほどの大きさ。奏者と客席の距離が近く、親密な空間を共有できるのも大きな魅力である。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ 2016年9月号から)
9/22(木・祝)15:00 杉並公会堂
問:杉並公会堂03-5347-4450
http://www.suginamikoukaidou.com