世代やジャンルを超えた新たな感性に期待
振付家は見つけるものではなく、自ら手塩にかけて育てるものだ——。1968年の創設以来、脈々と日本人振付家による創作に取り組んできた東京シティ・バレエ団の気概に裏打ちされた7つの新作が、「シティ・バレエ・サロン Vol.4」で初演の幕を開けようとしている。
作者の経歴は七人七様。中島信欣と小林洋壱は、すでにバレエ団内外で大小作品を発表している生え抜きの振付家。石井初美は初出品ながら、オーストラリア留学を経て東京バレエ団でベジャール作品他を踊った経験の持ち主。長澤風海は中国拳法の大会で優勝した後、ミュージカル他の多彩な舞台で踊り、振付も手がけている。世代とジャンルと国境を越えた多彩な経験が、気心の知れた同僚から何を引き出すのだろうか。
豊洲文化センターの上階に位置するホールでの初開催。眼下にウォーターフロントの眺望が拡がるユニークな空間で、振付家の声とダンサー達の熱気を肌で感じたい。
文:上野房子
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年3月号から)
3/13(日)15:00 豊洲文化センター シビックセンターホール
問:東京シティ・バレエ団03-5638-2720
http://www.tokyocityballet.org