大阪フィル『コンサート + バレエ』

マエストロ・ミッキーの“バレエ愛”あふれたステージが実現

 大阪フィルハーモニー交響楽団と首席指揮者・井上道義が、バレエダンサーと共に〈コンサートバレエ〉を開催する。
 1971年にミラノ・スカラ座が主催した指揮者コンクールで優勝して以来、華麗なキャリアを歩んでいる井上は、実は若い頃ダンサーとして踊ったこともある、筋金入りのバレエ好きとして知られる。マエストロのバレエへの深い愛情が、コンサートとバレエのジョイント企画を誕生させたのである。
 プログラムは、チャイコフスキーの楽曲を選りすぐった2部構成。
 前半は大阪フィルが幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」と幻想序曲「ロメオとジュリエット」を演奏する。しばしばバレエ音楽に用いられている通り、幻想的なドラマの気配が醸し出されることだろう。
 後半はダンサーがステージに登場、チャイコフスキーの3大バレエより、グラン・パ・ド・ドゥを披露する。
『くるみ割り人形』を踊るのは、牧阿佐美バレヱ団の青山季可と、今季、同団から新国立劇場バレエ団に移籍し、飛躍が期待される中家正博。『眠れる森の美女』では、大阪が誇るダンスール・ノーブルの佐々木大が下村由理恵と組む。東京バレエ団を代表するコンビ、上野水香と柄本弾の演目は、『白鳥の湖』の華やかな“黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥ”。
 一昨年春に新装オープンしたフェスティバルホールで、井上の“バレエ愛”を感じながら、チャイコフスキーに聴き惚れ、見惚れたい。
 奇しくも同日、東京と大阪でオーケストラとバレエの響宴が行なわれる。さて、どちらに行きますか?
文:上野房子
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年12月号から)                         

2016.2/23(火)19:00 フェスティバルホール
問:大阪フィル・チケットセンター06-6656-4890 
http://www.osaka-phil.com