9月の阪田知樹(ピアノ)とのデュオ・リサイタルツアーも楽しみな、注目の若手ヴァイオリニストの新作は、同コンビによる前作『ヴァイオリン・ソナタ全集』からの流れであるブラームスと、ドイツ風の重厚な響きが美しいグラズノフそれぞれの協奏曲のライブ録音を組み合わせた一枚。彼女の確信に満ちた堂々たる演奏(艶やかなニュアンスのブラームスのソロ~雄弁に語る技巧的なグラズノフのフレーズ)はもちろんのこと、ブーレーズに鍛えられたフランスの実力派ロフェの指揮する大阪フィルと、メトロポリタン歌劇場が認めたワタナベが振る東京フィルの聴き比べも魅力だ。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2026年9月号より)
【information】
SACD『ブラームス&グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲 /辻彩奈』
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲/グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲
辻彩奈(ヴァイオリン)
パスカル・ロフェ ケンショウ・ワタナベ(以上指揮)
大阪フィルハーモニー交響楽団
東京フィルハーモニー交響楽団
収録:2025年10月、京都コンサートホール 他(ライブ)
ソニーミュージック
SICC 19093 ¥3300(税込)


