【CD】リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」/沖澤のどか&京響

 前半は交響曲、後半はオラトリオ。そのキメラ的な性質からメンデルスゾーンの交響曲のなかでは異端扱いされていた沖澤のどかが2023年4月から常任指揮者を務める京響と行った、初の全国ツアーにおけるサントリーホール公演のライブ録音。冒頭からたっぷりとした響きが耳を奪い、以下悠然たる運びによるスケールの大きな音楽が続いていく。ソロ コンサートマスター・石田泰尚の繊細なソロをはじめ、各パートの独奏も実に鮮やか。中でもファゴットやクラリネットの雄弁な表現が際立ち、弦楽器のロマンティックなメロディに木管のソロが加わる第3楽章は特に秀逸。全体に楽団の機能美を存分に生かした雄大な音絵巻が展開され、コンビの充実ぶりが鮮烈に明示されている。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2026年5月号より)

【information】
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」/沖澤のどか&京響

リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」

沖澤のどか(指揮)
京都市交響楽団
石田泰尚(ヴァイオリン)

収録:2025年9月、サントリーホール(ライブ)
日本コロムビア
COCQ-85654 ¥3500(税込)


柴田克彦 Katsuhiko Shibata

福岡県生まれ。音楽マネージメント勤務を経て、フリーの音楽ライター・評論家&編集者となる。雑誌、コンサート・プログラム、Web、宣伝媒体、CDブックレットへの、取材・紹介記事や曲目解説等の寄稿、プログラム等の編集業務を行うほか、講演や講座も受け持つなど、幅広く活動中。著書に『山本直純と小澤征爾』(朝日新書)、 『1曲1分でわかる! 吹奏楽編曲されているクラシック名曲集』(音楽之友社)。