
右:マリーナ・レベカ ©Tatyana-Vlasova
大好評のうちに東京交響楽団音楽監督としての12年間の任期を終えたジョナサン・ノットに代り、いよいよロレンツォ・ヴィオッティの時代が始まる。
ヴィオッティが代役に抜擢され、東響で衝撃的なデビューを飾ったのは2014年のことだ。当時は、2005年に急逝した指揮者マルチェッロ・ヴィオッティの息子というだけの、ほとんど無名の存在だった。しかし、その後は急速にヨーロッパでも認められ、ベルリン・フィルやロイヤル・コンセルトヘボウ管のほかザルツブルク音楽祭にも招かれ、ライジング・スターとして活躍を続けている。
筆者は2014年のデビュー演奏会は聴きそこねたが、18年に新国立劇場で指揮したプッチーニの《トスカ》での、鮮度が高く見通しのよい響きの美しさは、今もよく憶えている。
5月の東響での待望の就任披露演奏会、16日と17日に続く23日と24日のミューザ川崎シンフォニーホールでのプログラムは、20世紀前半のドイツとフランスの豊麗なオーケストレーションによる2作品。ラトビア出身のプリマ・ドンナ、マリーナ・レベカが強くしなやかな美声で歌うR.シュトラウスの遺作「4つの最後の歌」と、地中海的な華やかさと生命力をもつラヴェルのバレエ音楽「ダフニスとクロエ」だ。声楽作品を得意とするヴィオッティだけに、後者での東響コーラスとの共演も大いに楽しみである。
文:山崎浩太郎
(ぶらあぼ2026年4月号より)
ロレンツォ・ヴィオッティ(指揮) 東京交響楽団
川崎定期演奏会 第105回
2026.5/23(土)
特別演奏会《ロレンツォ・ヴィオッティ 音楽監督就任披露》
5/24(日)
各日14:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
問:TOKYO SYMPHONY チケットセンター044-520-1511
https://tokyosymphony.jp

山崎浩太郎 Kotaro Yamazaki
1963年東京生まれ。演奏家の活動と録音をその生涯や同時代の社会状況において捉えなおし、歴史物語として説く「演奏史譚」を専門とする。著書は『演奏史譚1954/55』『クラシック・ヒストリカル108』(以上アルファベータ)、片山杜秀さんとの『平成音楽史』(アルテスパブリッシング)ほか。
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