
右:松木さや ©T.Tairadate
1990年、フランス生まれのピエール・デュムソーは、新しい世代に属する指揮者だが、パリ・オペラ座やベルリン国立歌劇場、バイエルン州立歌劇場、チューリヒ歌劇場などの名門歌劇場に次々と客演し、オペラ指揮者としてすでに高い評価を獲得している。日本もこれまでに5回訪れており、前回、2025年10月に来日した際は、京都市交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢、群馬交響楽団の指揮台に立ち、古典からコンテンポラリーまでフランス音楽の多彩なレパートリーを披露した。
6回目となる4月の来日では、東京都交響楽団の定期演奏会に初登場し、得意のフランス音楽からプーランク、イベール、ドビュッシーの名曲を指揮する。演奏会の冒頭を飾るプーランクのバレエ音楽「牝鹿」の組曲版では、デュムソーの劇場指揮者としての才覚の一端に触れることができるだろう。続くイベールでは、ふたつの代表作、フルート協奏曲と交響組曲「寄港地」が取り上げられ、この作曲家の軽妙洒脱な味わいを再発見する機会が与えられる。フルート協奏曲では都響首席奏者の松木さやがソリストを務め、気心の知れた仲間たちとの親密な対話を聴かせてくれるに違いない。プログラムの核となるドビュッシーの「海」は、指揮者とオーケストラの双方がスコアを知り尽くしているレパートリーである。日本各地のオーケストラで成功を収めてきたデュムソーが、都響の華麗なサウンドと精緻なアンサンブルからどのような色や香りを引き出すのか、その化学反応に大いに期待したい。
文:八木宏之
(ぶらあぼ2026年4月号より)
ピエール・デュムソー(指揮) 東京都交響楽団
第1042回 定期演奏会 Aシリーズ
2026.4/18(土)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール
問:都響ガイド0570-056-057
https://www.tmso.or.jp

八木宏之 Hiroyuki Yagi
青山学院大学文学部史学科芸術史コース卒。愛知県立芸術大学大学院音楽研究科博士前期課程(修士:音楽学)およびソルボンヌ大学音楽専門職修士課程(Master 2 Professionnel Médiation de la Musique)修了。
2021年春にWebメディア『FREUDE』を立ち上げ。クラシック音楽を中心にプログラムノートやライナーノーツ、レビュー、エッセイを多数執筆するほか、アーティストへのインタビュー、コンサートのプレトーク、講演会なども積極的に行なっている。
https://freudemedia.com

