小田急線新百合ヶ丘駅周辺を中心に行われている春の芸術祭「アルテリッカしんゆり」。オーケストラにピアノはもちろん、オペラやバレエ、演劇や伝統芸能まで楽しめてしまう世界的にも珍しい、ジャンルレスなイベントだ。
2026年の第18回は4月11日から5月10日まで「おいしい芸術」をテーマに開催。40を超える豊富な公演を、「ビュッフェを楽しむように味わっていただきたい」という想いが込められている。

ごちそうのように豪華な公演が並ぶなか、まず注目したいのが「ミュージカル with 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 ときめきのミュージカル」(4/25)。人気ミュージカル俳優の中川晃教、クラシックとミュージカルを自在に横断する声楽家である上原理生が共演。迫力のオーケストラサウンドをバックに、『オペラ座の怪人』をはじめとする名旋律を歌う。
講談や朗読の魅力を再発見できるのも「アルテリッカ」ならではの楽しみの一つ。今年は一龍斎貞鏡の講談で、NHK朝の連続テレビ小説でも知られている『小泉八雲伝』に『飴を買う女』をお届け。後半には俳優・佐野史郎による『耳なし芳一』の朗読も(4/29)。

近年クラシックと落語のコラボレーションが増えているが、様式美を大事にするこの二つの芸術の魅力は本芸術祭でも発信されてきた。今年は川崎市麻生区で育った「柳家小はぜ」が、3月に真打昇進し「三代目柳家小はん」を襲名したことを記念する落語会を開催(5/6)。公演には師匠の柳家はん治、一門の先輩・柳家喬太郎、柳家三三、初音家左橋も出演。豪華な顔ぶれが揃う。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2026年4月号より)
川崎・しんゆり芸術祭 アルテリッカしんゆり2026
2026.4/11(土)〜5/10(日) 川崎市アートセンター、昭和音楽大学 他
問:しんゆりチケットセンター044-959-2255
https://www.artericca-shinyuri.com
※芸術祭の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。

長井進之介 Shinnosuke Nagai
国立音楽大学大学院修士課程器楽専攻(伴奏)修了を経て、同大学院博士後期課程音楽学領域単位取得。在学中、カールスルーエ音楽大学に交換留学。アンサンブルを中心にコンサートやレコーディングを行っており、2007年度〈柴田南雄音楽評論賞〉奨励賞受賞(史上最年少)を機に音楽ライターとして活動を開始。現在、群馬大学共同教育学部音楽教育講座非常勤講師、国立音楽大学大学院伴奏助手、インターネットラジオ「OTTAVA」プレゼンターも務める。
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