私たちの“ウィーンのサロン”にご招待!
〜歌姫・森野美咲が贈る「ウィーン ・ ナイト」

©Yuki Suwa

 昨年は藤原歌劇団《ラ・トラヴィアータ》ヴィオレッタ、ジョナサン・ノット指揮の東京交響楽団でリゲティ「マカーブルの秘密」、新年にはNHKニューイヤーオペラコンサートで『オペラ座の怪人』名場面を歌うなど快進撃が続いている森野美咲が、3月、アーティストが自宅サロンにお客様を招くことをコンセプトとした「Hakujuサロン・コンサート」に出演する。ピアノは2020年にブラームス国際コンクール優勝時にもデュオを組んだ木口雄人。

 「今回は、ウィーン在住の私と木口さんが、皆様を“ウィーン・ナイト”へとご招待する構成を考えました。同地ゆかりの作曲家はとても多いのですが、その中からのハイライトとなります。前半はモーツァルト、シューベルトを中心に。モーツァルトは歌曲とオペラ・アリアの両方を歌います。木口さんのピアノソロ『きらきら星変奏曲』を挟んで後半は、シュトルツやJ.シュトラウスⅡ世のオペレッタ、そしてトークを入れて近現代の音楽の流れを説明しながら、ヨーゼフ・マルクスの歌曲、ベルク《ルル》より〈ルルの歌〉などを。マルクスは本当にロマンティックなのですがピアノが難しく、これは私が“魔術師”と呼んでいる木口さんだからこそ弾ける曲。〈ルルの歌〉は短い中に彼女の人生が詰まっている大好きな曲です」

 ウィーンを拠点に活動する森野にとってこの街の魅力はどこにあるのだろう?

 「とても住みやすいんです。街と田舎のバランスがちょうどよくて。皆さんウィーンといえば歌劇場での舞踏会とか“社交界”みたいなイメージがあるかも知れませんが、それは豪華な一部の地区のこと。中心地から15分くらいで着く郊外にはワイン畑などの自然が広がっています」

 昨年11月にはウィーン出身で歌曲ピアニストのレジェンド、ヘルムート・ドイチュが10年ぶりに来日し、東京と岡山で森野と共演した。お互いへのリスペクトがある名演だったが、「ドイチュさんは今回のリサイタルのために30時間くらいリハーサルをしてくださって。最初の頃はほぼレッスンでした(笑)。楽譜に忠実に、言葉に忠実にということをひたすら追求していく。その上に演奏の自由さが生まれるのだと再認識しました」。

 良い音楽を気楽に楽しめるコンサートにしたいという。

 「ウィンナ・ワルツが他の土地とどう違うか、モーツァルトがどんなところでご飯を食べていたのか、そういう話もしながら、ウィーンとその音楽を身近に感じてもらえたら嬉しいです」

取材・文:井内美香

(ぶらあぼ2026年3月号より)

2020年ブラームス国際コンクール優勝デュオ
Hakujuサロン・コンサート vol.15 森野美咲(ソプラノ) & 木口雄人(ピアノ)VIENNA NIGHT ウィーン・ナイト
2026.3/26(木)19:00 Hakuju Hall
問:Hakuju Hall チケットセンター03-5478-8700 
https://hakujuhall.jp

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