【CD】1960年 第6回ショパン国際ピアノ・コンクール・ライヴ/マウリツィオ・ポリーニ

 2025年の第19回ショパン国際ピアノコンクールの熱狂の余韻冷めやらぬ中、過去の同コンクールの貴重なアーカイブにも光が当たった。1960年、第6回の優勝者——マウリツィオ・ポリーニだ。18歳にして審査員全員一致の第1位という圧倒的な評価を叩き出した伝説のコンクール・ライブはこれまでも一部リリースされてきたが、NIFC(ショパン・インスティテュート)がリマスタリングの上2枚組に集成。その代名詞となった練習曲をはじめソナタ第2番、協奏曲第1番など、疑似ステレオ化された良好な音質で聴ける。強靭な技巧と瑞々しい感性のほとばしり。ショパン演奏の歴史が変わる瞬間だ。
文:矢澤孝樹
(ぶらあぼ2026年3月号より)

【information】
CD『1960年 第6回ショパン国際ピアノ・コンクール・ライヴ/マウリツィオ・ポリーニ』

ショパン:練習曲 op10-1,10、同曲 op.
25-10,11「木枯らし」、ポロネーズ第5番、24の前奏曲より第2,8,24番、ピアノ・ソナタ第2番「葬送」、ピアノ協奏曲第1番 他

マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
イェジ・カトレヴィチ(指揮)
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団

収録:1960年2月・3月、ワルシャワ(ライブ)
NIFC/東京エムプラス
SNIFCCD 666(2枚組) ¥6000(税込)


矢澤孝樹 Takaki Yazawa

1969年山梨県塩山市(現・甲州市)生。慶應義塾大学文学部卒。水戸芸術館音楽部門主任学芸員を経て現在ニューロン製菓(株)及び(株)アンデ代表取締役社長。並行して音楽評論活動を行い、『レコード芸術online』『音楽の友』『モーストリークラシック』『ぶらあぼ』『CDジャーナル』にレギュラー執筆。朝日新聞クラシックCD評選者および執筆者。CD及び演奏会解説多数。著書に『マタイ受難曲』(音楽之友社)。ほか共著多数。