クァルテット・エクセルシオ × レグルス・クァルテット
――世代を越えて響き合う8人の息吹

 2024年に結成30年を迎え、日本の弦楽四重奏団の中心的存在であるクァルテット・エクセルシオが、次の世代の四重奏団とジョイントする、春の第一生命ホールの公演。これまでクァルテット・インテグラなどが登場してきて、期待の俊才団体が通る場ともなっている。

クァルテット・エクセルシオ ©大窪道治

 7回目を迎える3月に共演するのは、2020年結成直後から際立った水準の演奏を実現してきたレグルス・クァルテット。吉江美桜と東條太河(ヴァイオリン)、山本周(ヴィオラ)、矢部優典(チェロ)が各自で多彩な活動を重ね、その経験を集約させて成長していく活動スタイル。しかも、彼らはこの1年半、まず東條と矢部がN響団員に、昨秋には吉江が東響コンサートマスター研究員、山本がオーケストラ・アンサンブル金沢首席奏者に就任。4人の俊才ぶりがわかるだろう。

レグルス・クァルテット ©T. Tairadate

 公演前半は両団1曲ずつ。エクセルシオは古典の名作ハイドン「皇帝」。昨年第2ヴァイオリンが粟津惇に交代したばかりで、ベテランの安定感に新鮮な空気も入るのが楽しみ。レグルスは20世紀の傑作、リゲティの第1番「夜の変容」。シャープで緊張感ある響きで、彼らの深化を示す。

 そして、8人全員でガーデ(ゲーゼ)の弦楽八重奏曲。19世紀デンマーク出身の作曲家で、メンデルスゾーンと親交が深く、彼の後継指揮者も務めた才人ガーデの八重奏曲は、爽やかな響きで技巧性も高い、愛すべき快作。この8人であれば本作の真価が体験できるはず。個性的な3作品を楽しめる機会としてもこの上ない公演だ。

文:林 昌英

(ぶらあぼ2026年2月号より)

クァルテット・エクセルシオ × レグルス・クァルテット
2026.3/7(土)14:00 第一生命ホール
問:トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702 
https://www.triton-arts.net


林 昌英 Masahide Hayashi

出版社勤務を経て、音楽誌制作と執筆に携わり、現在はフリーライターとして活動。「ぶらあぼ」等の音楽誌、Webメディア、コンサートプログラム等に記事を寄稿。オーケストラと室内楽(主に弦楽四重奏)を中心に執筆・取材を重ねる。40代で桐朋学園大学カレッジ・ディプロマ・コース音楽学専攻に学び、2020年修了、研究テーマはショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲。アマチュア弦楽器奏者として、ショスタコーヴィチの交響曲と弦楽四重奏曲の両全曲演奏を達成。