山下一史&愛知室内の3月定期は、破竹の勢いの若きチェリスト北村陽が登場

左:山下一史 ©ai ueda
右:北村 陽

 音楽監督、山下一史との4シーズン目を締めくくる、愛知室内オーケストラ(ACO)の第96回定期演奏会では、日本音楽コンクールやブラームス国際コンクールなど、国内外のコンクールで次々と優勝を成し遂げる俊英、北村陽を迎え、アントン・クラフトのチェロ協奏曲が披露される。クラフトはハイドンやベートーヴェンにもインスピレーションを与えた古典派の時代を代表するチェリストで、彼のヴィルトゥオジティが詰め込まれた協奏曲を若き名手の瑞々しい演奏で堪能する。

 演奏会の冒頭を飾るのは、クラフトの同時代人、モーツァルトがザルツブルク時代に書き上げたロココ風の傑作、交響曲第29番。室内オーケストラの魅力が存分にいきるレパートリーである。後半に演奏されるニールセンの交響曲第2番「四つの気質」は、人間を胆汁質、粘液質、憂鬱質、多血質の4種に分類する、古代ギリシャの考えに由来したユニークな作品。山下とACOによる各楽章の多彩な描き分けにも大いに注目したい。

文:八木宏之

(ぶらあぼ2026年1月号より)

山下一史(指揮) 愛知室内オーケストラ 第96回 定期演奏会 
2026.3/28(土)14:00 東海市芸術劇場
問:愛知室内オーケストラ052-211-9895 
https://ac-orchestra.com


八木宏之 Hiroyuki Yagi

青山学院大学文学部史学科芸術史コース卒。愛知県立芸術大学大学院音楽研究科博士前期課程(修士:音楽学)およびソルボンヌ大学音楽専門職修士課程(Master 2 Professionnel Médiation de la Musique)修了。
2021年春にWebメディア『FREUDE』を立ち上げ。クラシック音楽を中心にプログラムノートやライナーノーツ、レビュー、エッセイを多数執筆するほか、アーティストへのインタビュー、コンサートのプレトーク、講演会なども積極的に行なっている。
https://freudemedia.com