ジャンルを越境するスリリングなパフォーマンス
我が国を代表するジャズ・ピアニスト、小曽根真をホストに、世界の一流ミュージシャンを迎えてジャンルを超えた“音楽そのもの”の魅力を堪能させてくれる「Jazz meets Classic」。これまで、パキート・デリヴェラ、アルトゥール・サンドヴァルといったトップ・アーティストが出演し、スリルと感動に満ちた時間を提供してくれたこのコンサートに、今年は小曽根の盟友ともいえるブランフォード・マルサリスが登場する(共演はエドウィン・アウトウォーター指揮の東京都交響楽団)。
父、そして兄弟全員が世界的に活躍しているエリート・ジャズ一家の長男として生まれ、今やジャズ・サックス・シーンのカリスマ的存在となっているブランフォードだが、一方で彼はクラシックにも造詣が深く、過去この分野のアルバムも発表している。そんなブランフォードが今回演奏するのは、アメリカの現代作曲家、ジョン・アダムズのペンによるサクソフォン協奏曲。ジャズ的なフィーリングを随所に盛り込みつつ高度な技巧が要求されるこの難曲への、若きサックスの巨匠のアプローチやいかに。
かたや小曽根は、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番で、己のピアニズムの限界に挑戦する。この作曲家のコンチェルトの中で、もっとも有名で、かつ難易度が高いといわれるこの作品に彼がどう対峙し、新たな生命を吹き込むのか。まさにジャンルを越境するがゆえのスリリングなパフォーマンスを、ぜひお見逃しなく!
文:藤本史昭
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年9月号から)
10/24(土)17:00 東京文化会館 10/25(日)15:00 オリンパスホール八王子
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
http://www.t-bunka.jp