高崎芸術劇場 GTシンフォニック・コンサート、9月は大友直人&前田妃奈によるオール・ブラームス

左:大友直人 ©Rowland Kirishima
右:前田妃奈 ©Taira Tairadate

 群馬交響楽団と高崎芸術劇場が贈る「GTシンフォニック・コンサート」。群響が楽団本拠地の劇場でクラシック、ジャズ、オペラ、映画音楽、ミュージカルのナンバーなど多彩なジャンルに取り組む人気のシリーズ。群響「第二の定期演奏会」の呼び声も高く、全6回の通し券が完売するほど(1回券は販売中)。

 第3回は、高崎芸術劇場芸術監督の大友直人の指揮による「オール・ブラームス」。ヴァイオリン協奏曲と交響曲第1番を組み合わせた聴き応え十分のプログラムだ。協奏曲のソリストは前田妃奈。2019年日本音楽コンクール・ヴァイオリン部門第2位、20年東京音楽コンクール弦楽部門第1位。22年には第16回ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際コンクールで優勝し、国際的にも注目を集めた。現在、東京音楽大学アーティストディプロマコースに在学中の期待の若手である。

 ブラームス唯一のヴァイオリン協奏曲は、高度な演奏技巧と室内楽的な親密さが求められる大作。確かな技術と豊かな表現力をもつ前田だが、マエストロの的確なサポートを得て、のびのびとスケールの大きな演奏を聴かせてくれるだろう。

 後半は、交響曲第1番。ブラームスの名曲をマエストロはじっくりと格調高く作り上げる。ブラームスは群響にとっても大切なレパートリーである。2019年9月のオープンと同時に高崎芸術劇場に本拠地を移してから飛躍的に演奏力が向上した群響の現在(いま)を知ることができるだろう。

文:柴辻純子

(ぶらあぼ2025年8月号より)

GTシンフォニック・コンサート vol.3 ロマン派の真髄 オール・ブラームス・プログラム
2025.9/6(土)14:00 高崎芸術劇場
問:高崎芸術劇場チケットセンター027-321-3900
https://takasaki-foundation.or.jp