日本の新しい古楽演奏団体の活躍ぶりが目覚ましい。2020年に創設され、今年8月にはJ.S.バッハのカンタータ全曲演奏シリーズをスタートさせたプロムジカ使節団もその一つだ。東京藝術大学声楽科を経て同大学器楽科でチェンバロを専攻した才人・圓谷俊貴のもと、国内外で活躍する古楽のプロフェッショナルたちが集結する。
シリーズ第2回目は、バッハがトーマス・カントルとして初めて迎えた聖金曜日に用意した名作、「ヨハネ受難曲」の初演300年を記念して同作に挑む(福音史家:中嶋克彦、イエス:加耒徹)。各人の妙技に加え、今回の聴きどころは通奏低音パートの充実ぶりだ。チェロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴィオローネ(8フィート)、コントラバス、リュート、バロック・ファゴット、コントラファゴットの計7人で厚みのある響きと表現力豊かな音楽を追求する。古さを感じさせないフレッシュな演奏を目指し、それ自体が新しい創造活動であることを訴えていきたいという圓谷。彼らの新たな挑戦にぜひ注目したい。
文:近松博郎
(ぶらあぼ2024年12月号より)
プロムジカ使節団 All Bach Cantatas Vol.2
初演300年記念 J.S.バッハ:ヨハネ受難曲
2024.12/14(土)14:00 狛江エコルマホール
問:プロムジカ使節団事務局090-3230-1685
https://www.promsinc.com