昨年創立60周年を迎えたコレギウム・ムジクム・テレマンのテレマン作品集。延原武春の指揮は、明快で格調高い。「3つのトランペットとティンパニのための協奏曲」は、典雅で華やか。耳の愉悦といえる。序曲 嬰へ短調は、速めのテンポで生き生きと造形される。序曲 ニ長調は、トランペットとティンパニが加わり、華麗な響きとなる。第1楽章のフガート風摸倣は、声部の絡みが精緻でとても美しい。パッサカリアの激しい高揚も聴きもの。ヴァイオリン・ソナタは、コンサートマスターのブンディースと高田泰治のチェンバロで、透明な美音と細やかなニュアンスが生きて、とても聴き応えがある。
文:横原千史
(ぶらあぼ2024年4月号より)
【information】
CD『“テレマン”のテレマン /延原武春&コレギウム・ムジクム・テレマン』
テレマン:3つのトランペットとティンパニのための協奏曲、ヴァイオリン・ソナタ ニ長調、序曲 嬰へ短調、同ニ長調
延原武春(指揮)
コレギウム・ムジクム・テレマン
収録:2023年4月、東京文化会館(小)(ライブ)
ナミ・レコード
WWCC-8005 ¥2750(税込)