In memoriam モーリス・ブルグ

Maurice Bourgue 1939-2023

 フランスの世界的オーボエ奏者モーリス・ブルグが、10月6日、83歳で亡くなった。

Maurice Bourgue 提供:公益財団法人ソニー音楽財団

 1939年フランス・アビニヨン生まれ。1966年にバーミンガムで開催された国際管楽器コンクールにて、フルート奏者サー・ジェームズ・ゴールウェイと並んで第1位を受賞。その後もミュンヘン、プラハ、ブダペストの国際コンクールで優勝し、1967年指揮者シャルル・ミュンシュの招きでパリ管弦楽団へ。12年にわたり、首席オーボエ奏者を務めた。

 1979年にパリ管を退団してからは、ソリストとして、イ・ムジチ合奏団、ロンドン響、コンセルトヘボウ管、バイエルン放送響などのオーケストラと共演。また、教育者としても高名で、パリ国立高等音楽院、ジュネーヴ音楽院、東京藝大など、世界各国の名門音楽学校で教鞭を執っていた。アルブレヒト・マイヤー、ジョナサン・ケリー(以上ベルリン・フィル首席)、フランソワ・ルルー(元バイエルン放送響首席)、吉井瑞穂(元マーラー室内管首席)ら、世界の第一線で活躍する奏者が師事している。また、日本においては、若手オーボエ奏者の登竜門である国際オーボエコンクールの審査委員を1994年から2018年まで務めた。