ケルト音楽の温かさに包まれる聖なるひととき
ここ20〜30年の間に、音楽ジャンルのひとつとして定着したケルト音楽。アイルランドやスコットランドをはじめ、ケルト民族の文化が色濃く残る国や地方を中心にして発信される民族音楽だ。
使われる楽器はフィドル(ヴァイオリン)やフルート、バグパイプ、ギター、バンジョー、ブズーキをはじめ多岐にわたる。セッションでひとつのフレーズが繰り返されるうちに、まるで螺旋のように形を変えていくさまはスリリングかつ神秘的。一方、メロディアスで温かい歌は聴く者に安らぎと郷愁の念を抱かせる。ケルトはヨーロッパ文化の源流ともいわれるが、クラシックをはじめとする西洋音楽のふるさとと思えるような包容力こそケルト音楽が持つ最大の魅力なのだ。
さて、毎年旬のアーティストを招き、日本のクリスマス・シーズンをケルト音楽で温かく包み込む「ケルティック・クリスマス」。4年ぶりの開催となる今年は、ルナサとダーヴィッシュというアイルランドの伝統音楽界を代表する2組がエントリーされた。1996年に結成されたルナサは、圧倒的なテクニックとアンサンブルでシーンの先頭を走り続けるライブ・バンド。ダーヴィッシュは力強くて優しい演奏と溢れるような歌心が身上だ。
また、ケルト音楽はダンス・ミュージックでもある。今回はアイリッシュ・ダンスの若き世界チャンピオン、デイヴィッド・ギーニーが初来日。超絶技巧で観客の目を釘付けにするはずだ。
文:山﨑隆一
(ぶらあぼ2023年10月号より)
2023.12/2(土)17:15 すみだトリフォニーホール
問:プランクトン03-6273-9307
https://plankton.co.jp
他公演
2023.11/26(日) 東海市芸術劇場(0562-38-7030)
12/1(金) 兵庫県立芸術文化センター(中)(0798-68-0255)
12/3(日) 所沢市民文化センター ミューズ アークホール(04-2998-7777)