欧州で活躍する俊英が響かせる銘器の調べ
ストラディヴァリウスの調べを満喫する「ストラディヴァリウス・コンサート」。今年は、ヴァイオリンのキム・スーヤン、マリア・ドゥエニャス、チェロのパブロ・フェランデスと俊英3人が登場し、それぞれ日本音楽財団から貸与されているストラディヴァリウスの銘器を奏でる。
ドイツ生まれのキム・スーヤンは、2009年のエリザベート王妃国際音楽コンクールで第4位に入賞。18年にベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団の首席コンサートマスターに就任し、19年から21年までアルテミス・カルテットのメンバーとして活動した。1702年製「ロード・ニューランズ」を使用。ドゥエニャスはスペインのグラナダに生まれ、ウィーン私立音楽芸術大学でボリス・クシュニールに師事している。21年ユーディ・メニューイン国際コンクール優勝。1710年製「カンポセリーチェ」を弾く。マドリード出身のフェランデスは、アンネ=ゾフィー・ムター財団の奨学生として研鑽を積んだ。22年にムターとブラームスの二重協奏曲を録音。今秋にはチェコ・フィルの日本公演にソリストとして帯同する。1696年製「ロード・アイレスフォード」を使用。そしてピアノ共演は江口玲。
キムはベートーヴェンの「春」の第1楽章を、ドゥエニャスはラヴェルの「ツィガーヌ」を披露。トリオの演奏も何曲かあるが、最大の聴きものは、4人全員によるコルンゴルトの「2つのヴァイオリン、チェロ、左手ピアノのための組曲」から第2、3楽章に違いない。
文:山田治生
(ぶらあぼ2023年5月号より)
2023.9/22(金)19:00 大阪/住友生命いずみホール
問:住友生命いずみホールチケットセンター06-6944-1188
https://www.izumihall.jp
9/24(日)14:00 紀尾井ホール
問:紀尾井ホールウェブチケット webticket@kioi-hall.or.jp
https://kioihall.jp
2023.6/2(金)発売