完全再現されたサントラの生演奏とともに名作SF映画を
1982年のオリジナル公開の後でカルト的人気を呼び、ディレクターズ・カット版上映などを経て2007年公開のファイナル・カット(FC)版で再びファンを熱狂させた、リドリー・スコット監督によるSF映画の金字塔『ブレードランナー』。しかし当時、この公開と連動してリリースされた25周年記念エディションの3枚組サントラ盤には、いくつかの重要なトラックが未収録で、マニアには心残りだったとか。あれから16年を経た今年、そのFC版本編上映にあわせて(1曲を除き)すべての音楽を完全にシンクロさせて生演奏する、シネマ・コンサートが遂に日本上陸を果たす。
音楽を手掛けたのは、昨年5月に79歳でこの世を去った(『炎のランナー』の音楽でも知られる)ギリシャ生まれのシンセサイザーの巨匠ヴァンゲリス。本編制作当時、彼がロンドンのスタジオで何台ものシンセを駆使して作り上げたサントラは楽譜として現存していないため、今回のLIVE開催にあたっては、プロデューサーの指揮の下に約1年がかりで入念な採譜&楽譜化の作業が行われた。2019年10月の世界初演は大成功。会場のロイヤル・アルバート・ホールは空前の熱狂に包まれたとか。巨匠こだわりのシンセ・サウンドを可能な限り忠実に復元し、さらにアコースティックな生楽器も加えて音楽を完璧に再現した上で、Bunkamura オーチャードホールの大画面に映し出された『ブレードランナー』を観る、この夢の機会を逃してはならない!
文:東端哲也
(ぶらあぼ2023年3月号より)
2023.3/5(日)14:00 Bunkamura オーチャードホール
問:チケットスペース03-3234-9999
https://avex.jp/classics/bladerunner-live2023/