イタリアオペラの正統的継承者のオシャレでスリリングな傑作を一挙に
現代人ならヴェルディの音楽は知らなくても、ニーノ・ロータの音楽は聴いたことがあるだろう。『ゴッド・ファーザー』からフェデリコ・フェリーニ監督作品まで、ロマンティックな音楽で満たしたあの作曲家だ。一方、ロータが10を超えるオペラを作曲したことは案外知られていないが、傑作ぞろいだ。
うち3本の喜劇が一夜で楽しめる。第一部は恋のすれ違いを描く《内気な二人》。第二部は教習車内での純愛劇《自動車運転教習所》と、緊張感あふれる《神経症患者の夜》。みな映画のようにスリリングで、同時にオペラとして音楽的に充足している。
実はロータはロッシーニからプッチーニにまで精通した「イタオペ」の正統的継承者。あのパヴァロッティのピアニストで、今回ピアノを弾きながら舞台を監修するウバルド・ファッブリは「イタリア・オペラの歴史がプッチーニで途絶えたように言うのは違う。ロータの偉大な作品があるのだから」と断言。山本耕平をはじめ歌手もそろった。
文:香原斗志
(ぶらあぼ2022年12月号より)
2022.12/24(土)、12/25(日)各日 第一部 16:30 第二部 19:00
日経ホール
問:奏楽会事務局03-4570-6731
https://www.ninorotaopera.com