クラシック部門の受賞者一覧
「グラミー賞」の第64回受賞者が発表され、メゾソプラノの藤村実穂子がソリストとして参加した『マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」』(グスターボ・ドゥダメル指揮、ロサンゼルス・フィルハーモニック)が「最優秀合唱演奏賞(Best Choral Performance)」を受賞した。毎年、豪華アーティストが出席することでも注目が集まる授賞式は、オミクロン株感染拡大の影響による延期を経てアメリカ・ラスベガスで行われた。
藤村は、2002年、主役級としては日本人初となるバイロイト音楽祭デビューを果たした後、9年連続で出演を果たすなど、ヨーロッパを拠点に活躍する世界的なメゾソプラノ。ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場、バイエルン国立歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラといった世界各地の主要劇場や音楽祭から定期的に招かれている。また、コンサート歌手としての活躍も目覚ましく、ウィーン・フィル、ベルリン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、バイエルン放送響など世界の名だたるオーケストラや指揮者と共演。とりわけドイツリートの分野で高い評価を受けている。2013年にはサントリー音楽賞を、14年には紫綬褒章を受章している。3月には、京都市交響楽団の第665回定期演奏会でマーラーの「リュッケルトの詩による5つの歌曲」を披露し、満場の聴衆を魅了した。
そのほか、今年のグラミー賞ではチェロの松本エルが参加したアルバム『Mythologies』が「最優秀クラシック・ソロ・ヴォーカル・アルバム賞」を受賞した。
マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」
/グスターボ・ドゥダメル指揮 ロサンゼルス・フィルハーモニック
(Deutsche Grammophon)
第64回グラミー賞 クラシック主要部門の受賞者
◎最優秀オーケストラ演奏賞 Best Orchestral Performance
フローレンス・プライス:交響曲第1番&第3番
ヤニック・ネゼ゠セガン(指揮)、フィラデルフィア管弦楽団
◎最優秀オペラ録音賞 Best Opera Recording
フィリップ・グラス:歌劇《アクナーテン》全曲
カレン・カメンセック(指揮)、ジャナイ・ブリッジス、アンソニー・ロス・コスタンゾ、ザッカリー・ジェイムズ、ディーセラ・ラルスドッティル METオーケストラ&合唱団 他
◎最優秀合唱演奏賞 Best Choral Performance
マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」
グスターボ・ドゥダメル(指揮) ロサンゼルス・フィルハーモニック
タマラ・ウィルソン、リア・クロチェット、エリン・モーリー(以上ソプラノ)、藤村実穂子、タマラ・マムフォード(以上アルト)、サイモン・オニール(テノール)、ライアン・マッキニー(バリトン)、モリス・ロビンソン(バス)
ロサンゼルス・マスター・コラール(合唱指揮:グラント・ガーション)パシフィック・コラーレ(合唱指揮:ロバート・イスタッド)ロサンゼルス児童合唱団(合唱指揮:フェルナンド・マルヴァー=ルイス)ナショナル児童合唱団(合唱指揮:ルーク・マッケンダー)
◎最優秀室内楽・小アンサンブル演奏賞 Best Chamber Music/Small Ensemble Performance
ホープ・アミッド・ティアーズ ベートーヴェン:チェロ・ソナタ全曲
ヨーヨー・マ(チェロ)&エマニュエル・アックス(ピアノ)
◎最優秀クラシック・器楽ソロ賞 Best Classical Instrumental Solo
アローン・トゥギャザー
ジェニファー・コー(ヴァイオリン)
◎最優秀クラシック・ソロ・ヴォーカル・アルバム賞 Best Classical Solo Vocal Album
Mythologies
サンゲータ・カウル&ヒラ・プリットマン(以上ピアノ)、松本エル(チェロ)他
◎最優秀クラシック・コンペンディウム賞 Best Classical Compendium
Women Warriors – The Voices Of Change
エイミー・アンダーソン(指揮)、マーク・マットソン&ロリタ・リトマニス(プロデューサー)
◎最優秀現代クラシック音楽作曲賞 Best Contemporary Classical Composition
Shaw: Narrow Sea
キャロライン・ショウ(作曲) ドーン・アップショウ(ソプラノ)、ギルバート・カリッシュ(ピアノ)、ソー・パーカッション 他