【CD】Mélangé(メランジェ)/ロー磨秀

 パリ国立高等音楽院で学んだロー磨秀は、シンガーソングライターとしての顔も持つピアニスト。クラシックとポップス、2つのジャンルを本当の意味で横断する、これまでにない新しい存在感を放つアーティストである。そんな彼の“クラシック・ピアニスト”としての顔が前面に出た本盤はカプースチンにドビュッシー、バルトークにメシアンというバラエティに富んだプログラミングでセンスのよさ、確かな技術、そして音色の多彩さを存分に見せてくれる。どの曲にも溢れる歌心が感じられ、複雑なテクスチュアをもつメシアンの「喜びの精霊の眼差し」でも楽曲の魅力を存分に伝えてくれる。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2021年11月号より)

【information】
CD『Mélangé(メランジェ)/ロー磨秀』

カプースチン:トッカティーナ/ドビュッシー:アラベスク第1番・第2番、アナカプリの丘、西風の見たもの、沈める寺、月の光/バルトーク:ピアノ・ソナタ/メシアン:喜びの精霊の眼差し/ガーシュウィン(ロー磨秀編):サマータイム

ロー磨秀(ピアノ/ボーカル)

日本コロムビア
COCQ-85535 ¥3300(税込)