ボリス・ベレゾフスキー(ピアノ)Boris Berezovsky, piano

(C)Yuri Bogomaz

“彼こそ、紛れもなく、偉大なるロシア人ピアニストたちのもっとも正当な後継者である” Gramophone
 ボリス・ベレゾフスキーは、この上なくパワフルなヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして、また、独自の洞察力と豊かな感性をあわせもつ音楽家として、その名声を確立してきた。
 モスクワ出身。モスクワ音楽院でエリソ・ヴィルサラーゼに師事。学外でアレクサンダー・サッツからも指導を受けた。1988年、ウィグモア・ホールでの演奏でロンドン・デビューを果たした折には、「タイムズ」紙より「まばゆい超絶技巧と圧倒的な力強さが同居する、きわめて前途有望なアーティスト」と評された。2年後の1990年、モスクワのチャイコフスキー国際コンクールの覇者となる。
 ソリストとして、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、シュターツカペレ・ドレスデン、マリインスキー劇場管弦楽団、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団、ローマ・サンタ・チェチーリア国立管弦楽団、ニューヨーク・フィルハーモニック、NHK交響楽団、パリ管弦楽団、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、ロシア・ナショナル管弦楽団、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団、フランス国立管弦楽団、モントリオール交響楽団、スイス・ロマンド管弦楽団、BBC交響楽団、バーミンガム市交響楽団、ベルリン・ドイツ交響楽団、香港フィルハーモニー管弦楽団、カタール・フィルハーモニー管弦楽団など、一流オーケストラと定期的に共演。

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 世界的なリサイタル・シリーズの常連でもあり、これまで、ベルリン・フィルハーモニックのピアノ・シリーズ、コンセルトヘボウ・インターナショナル・ピアノ・シリーズ、ロイヤル・フェスティバル・ホール・インターナショナル・ピアノ・シリーズなどに登場。また、パリのシャンゼリゼ劇場、サル・プレイエル、ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホール、ブリュッセルのパレ・デ・ボザール、ウィーンのコンツェルトハウス、メガロン・アテネ・コンサートホールなどで演奏を重ねている。さらに、ヴェルビエ、ザルツブルク、ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノほか、名高い国際音楽祭から招かれている。

 室内楽では、ワディム・レーピンやボロディン弦楽四重奏団とたびたび共演。2004年8月には、ドミトリー・マフチン、アレクサンドル・クニャーゼフとのピアノ三重奏によるDVD『チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出に」ほか』が、「ディアパゾン」誌でディアパゾン・ドールに選出された。この映像は、仏独共同テレビARTEならびにNHKで放映されている。2004年10月には、同メンバーでワーナー・クラシックス・レーベルにショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲第2番、ラフマニノフの「哀しみの三重奏曲」第2番を録音。同録音は、フランスにてショック賞、イギリスにてグラモフォン賞、ドイツにてエコー・クラシック賞2005にそれぞれ輝いた。

 テルデック・レーベルからは、ショパン、シューマン、ラフマニノフ、ムソルグスキー、バラキレフ、メトネル、ラヴェルのピアノ作品のほか、リストの《超絶技巧練習曲集》全曲の録音を発表している。ラフマニノフのピアノ・ソナタの録音は、ドイツ・レコード批評家賞を受賞。ラヴェルの作品集は、「ル・モンド・ド・ラ・ミュジク」、「ディアパゾン」、「BBCミュージック・マガジン」、「サンデー・インデペンデント」の各誌上で特選盤に選出された。2006年3月、最優秀器楽奏者としてBBCミュージック・マガジン・アワードを受賞。ソロでのライヴ・レコーディング『ショパン/ゴドフスキー』も高い評価を得ている。

 ミラーレ・レーベルには、ラフマニノフの《24の前奏曲》、ピアノ協奏曲全曲(共演:ドミトリー・リス指揮ウラル・フィルハーモニー管弦楽団)などを録音。ブリジット・エンゲラーとの共演による『ラフマニノフ:2台のピアノのための作品集』は複数のレコード賞を授与されている。ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホール、仏トゥールのグランジュ・ド・メレ音楽祭で行った公演は、ライヴ盤としてリリースされている。ブリジット・エンゲラー、アンリ・ドマルケットらとの共演による『サン=サーンス:動物の謝肉祭』は、2010年の年間最優秀ショック賞に輝いた。

 今後の演奏活動のハイライトとしては、ユーリ・テミルカーノフ指揮サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団(ヨーロッパ・ツアー)、ウラディーミル・フェドセーエフ指揮NHK交響楽団、クリスティアン・マンデアル指揮フィルハーモニア管弦楽団、アレクサンドル・ヴェデルニコフ指揮ロシア国立交響楽団(スヴェトラーノフ記念)、ジェームズ・コンロン指揮トリノRAI国立交響楽団、ドミトリー・リス指揮南オランダ・フィルハーモニー管弦楽団との共演が挙げられる。さらに、ニューヨークのカーネギーホール、ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホール、プラハのルドルフィヌム、ボンのベートーヴェンホール、パリのルイ・ヴィトン財団美術館、ボルドーのオーディトリウム・デュティユー、トゥールーズのジャコバン・ピアノ・フェスティヴァル、チャイコフスキー記念モスクワ音楽院大ホールをはじめ、世界各地の著名なコンサートホールや音楽祭でリサイタルを行う予定である。

 現在、親交の深かった故ブリジット・エンゲラーの後を継ぎ、ボーヴェ・ピアノスコープ音楽祭の芸術監督を務めている。

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