白石光隆(ピアノ) 春をよぶおしゃべりコンサート

音楽で春を感じる

Photo:岩切 等
Photo:岩切 等

 ピアニストの白石光隆が、春本番を待つ3月初旬の東京でコンサートを行う。その名も「春をよぶおしゃべりコンサート」。好評の白石自身によるトークを交えながらの演奏会。ブラームス「間奏曲Op.117-2」やシューマン=リスト「献呈」、メンデルスゾーン「春の歌」や「ロンドカプリチオーソ」には、彼ならではの温かい音色がよく似合うだろう。そしてショパンからは、「夜想曲第3番」と「スケルツォ第2番」が演奏される。持ち前のどこまでも自然でなめらかな歌い回しが、作品に豊かな息吹を与える。
 東京芸大大学院修了後、ジュリアード音楽院で学んだ白石。卓越したリズム感と表現力を持ち、現代作品やジャズにも取り組むなど意欲的な活動で知られている。今回も、「おぼろ月夜」、「花」、「早春賦」といった日本歌曲のメロディをモチーフにした長生淳の委嘱作品「春よび歌」の初演を行う。
 生命力あふれる春らしい作品が揃い、曲目を見ているだけで心が踊る。春の気配を感じる日曜日の午後になりそうだ。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ2014年3月号から)

★3月9日(日)・サントリーホール ブルーローズ(小)
問:プロアルテムジケ03-3943-6677 
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