華々しい“競演”と“共演”
トッパンホールの企画協力による《キラリふじみ・コンサートシリーズ》の第2弾。ヴァイオリニストの前橋汀子が自らの半生を追った内容の前回に続く当公演は、趣向をがらりと変えて、金子三勇士(ピアノ)、山根一仁(ヴァイオリン)、北村朋幹(ピアノ)が登場。日本を代表する俊英男性アーティスト3人が華々しい競演を繰り広げる。プログラムの軸になるのは、金子と山根の“競演”。J.S.バッハ(フランス組曲第6番 vs 無伴奏ソナタ第1番)やリスト vs ラヴェル、バルトーク vs プロコフィエフといった超絶技巧曲を対置することで、楽器や作曲家の個性も含めた聴き比べの魅力を鮮やかな形で浮き彫りにする。そしてもうひとつの聴きどころが、ラヴェルのツィガーヌとプロコフィエフのソナタ第2番で山根と“共演”する北村のピアノ。2011年からベルリンで学ぶ若き知性派の好サポートは、随所に新発見を盛り込みながら、作品解釈の面白さを瑞々しく知らしめてくれるに違いない。
文:渡辺謙太郎
(ぶらあぼ2014年2月号から)
★3月2日(日)・富士見市民文化会館 キラリ☆ふじみ
問:富士見市民文化会館 キラリ☆ふじみ 049-268-7788
http://www.kirari-fujimi.com