ウクライナのディーヴァによる鮮やかなコロラトゥーラを堪能する
東京・大手町にある日経ホールの好評シリーズ「日経ミューズサロン」の12月は、ウクライナ出身のソプラノ、オクサーナ・ステパニュックが登場。声楽と同時にバンドゥーラというウクライナの民族楽器(リュート属)の奏者としても活動する異色の経歴。日本を拠点に、現在は藤原歌劇団正団員として数々の公演で実績を重ねている。歌うのはオペラ・アリアとクリスマス・ソング。《椿姫》では真実の愛に目覚めた喜びに震える女心を(ああ、そはかの人か)、《ラ・ボエーム》では華やかなパリのクリスマスの街並みを(私が街を歩けば)、目の覚めるような鮮やかなコロラトゥーラで浮かび上がらせてくれるはずだ。ピアノは比留間千里。ひと足早いクリスマス気分を華やかに。
なお彼女は、来年1月の藤原歌劇団《ラ・ボエーム》にムゼッタ役で出演予定。岩田達宗の演出は、ムゼッタのやさしさにもスポットを当てているので、そちらも注目だ。
文:宮本 明
(ぶらあぼ2020年12月号より)
2020.12/15(火)14:00 18:30 日経ホール
問:日経公演事務局03-5227-4227
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