トッパンホール ニューイヤーコンサート 2021

アレッシオ・アレグリーニ
C)Priska Ketterer

 アレッシオ・アレグリーニはホルン界では知る人ぞ知る名手だ。ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団首席やモーツァルト管弦楽団首席、ベルリン・フィル首席客演などを歴任し、現在はローマ・サンタ・チェチーリア国立管弦楽団、ルツェルン祝祭管弦楽団の首席として活躍している。オーケストラファンならきっとその名人芸をどこかで耳にしているはずだ。

 今年5月のトッパンホールのリサイタルは中止になってしまったが、落胆したファンたちに朗報が届いた。年も改まった2021年のニューイヤーコンサートに登場するという。プログラムも大幅に変更、弦が加わってさらにゴージャスに!

 まずはケルビーニのホルン・ソナタ第2番とロッシーニ「狩のランデブー」。いずれもホルンの妙技全開で、後者は特殊奏法なども含み、アレグリーニのヴィルトゥオジティが炸裂する。ホルンはまたアンサンブルにあっても、サウンドを決定する中核となる。モーツァルトにはホルンを含む室内楽の名曲がたくさんあるが、「ピアノと木管のための五重奏曲」はなかでも自信作だったようで、才気煥発なやり取りが楽しめる。「七重奏曲」は全6楽章から成るベートーヴェン初期の大作で、ディヴェルティメント風の流れるような構成が初演当時大変人気になった。最近は指揮者としても活躍するアレグリーニのセンスが発揮されそうだ。競演はトッパンホールのプロデューサーの眼鏡にかなった日本の名手たち。

 2021年は素晴らしい年となってほしい。そんな願いを込めてアレグリーニの角笛が新年を寿ぐ。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ2020年12月号より)

*新型コロナウイルスの感染症に係る入国制限により、アレッシオ・アレグリーニの来日が中止となりました。本公演は代わって福川伸陽が出演いたします。また出演者の変更に伴い、プログラムを一部変更して開催いたします。(12/1主催者発表)
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。

2021.1/12(火)19:00 トッパンホール 
問:トッパンホールチケットセンター03-5840-2222 
https://www.toppanhall.com