熱きスペインの魂を体感
今年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン(LFJ)で彼のギターを聴いた人は、「こんなに心を揺さぶる音楽を奏でるギタリストがいたのか!」と驚いたかもしれない。スペインの魂を歌い踊るフラメンコの世界では、いまや第一人者であるカニサレス。その深い音楽性ゆえにサイモン・ラトルとベルリン・フィルをはじめ、クラシックの音楽家とも多数共演している。これまでにない「アランフェス協奏曲」の弾き手であることは、LFJで証明された。
さて次は本領発揮のフラメンコで勝負だ。12月の来日公演では自身も所属するクァルテット(ギターとダンサー)が独特の熱を帯びたステージを展開し、「これこそがカニサレス・ワールドだ!」と宣言してくれる。そのテクニックに目と耳を奪われ、リズムに煽られて心が高揚していくという体験は、彼らが超一流のパフォーマーだからこそ。フラメンコ初体験の方ならなおさら、4人のステージに圧倒されるだろう。観るなら「今!」なのだ。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ2013年11月号から)
★12月18日(水)、19日(木)・新宿文化センター
問 プランクトン03-3498-2881
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