【CD】イタリアへの夢Ⅲ イタリア・バロック室内楽の光彩/太田光子&平井み帆

 2002年のデュオ結成以来17〜18世紀のイタリア音楽をレパートリーとして活躍してきた太田光子(リコーダー)と平井み帆(チェンバロ)の新作『イタリアへの夢Ⅲ』。オリジナルのリコーダー作品のみならずヴァイオリン・ソナタやシンフォニアなども意欲的に取り上げているが、そのような作品でもまるでリコーダーのために書かれたと思わせるような楽器の特性を生かしきった快演を展開している。フォンターナ作品に前奏曲として挿入された「キリエ・エレイソンによるリチェルカティーナ」は当時の様式に基づき太田が作曲、多角的な楽しみを提供してくれる1枚だ。
文:藤原 聡
(ぶらあぼ2020年6月号より)

【information】
CD『イタリアへの夢Ⅲ イタリア・バロック室内楽の光彩/太田光子&平井み帆』

ストラデッラ:シンフォニーア第3番/チーマ:「教会コンチェルト集」より〈ソナタ〉/バッサーノ:「スザンヌはある日」によるディミニューション/フォンターナ:ソナタ第2番 前奏曲「キリエ・エレイソンによるリチェルカティーナ」(太田光子作曲)付/マルチェッロ:ソナタ op.2-1 他

太田光子(リコーダー)
平井み帆(チェンバロ)

コジマ録音
ALCD-1190 ¥2800+税