【CD】モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番「トルコ行進曲付き」/藤井一興

 アール・デコの美しいガラス工芸で知られるルネ・ラリック。その香水瓶「彼女らの魂」をジャケットに据えた藤井一興の新譜は、モーツァルトのソナタ第11番、シューベルトの即興曲、フォーレの舟唄と夜想曲、ルーセルのソナチネ、そしてメシアンの「幼子イエスの口づけ」という選曲からも興味をそそられる一枚。「ルネ・ラリックの花束と旅するオリエント急行」と題し、ラリックがデザインを施した長距離列車で旅するがごとく、遠隔調や近親調を考慮しながら配された一曲一曲が、藤井の柔らかくニュアンスに富んだタッチ、倍音が織りなすプリズムの輝きとなって届けられる。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2020年5月号より)

【information】
CD『モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番「トルコ行進曲付き」/藤井一興』

モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番「トルコ行進曲付き」/シューベルト:即興曲 第2番・第3番/フォーレ:舟歌第1番・第5番、夜想曲第11番/ルーセル:ソナチネ/メシアン:「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」より〈幼子イエスの口づけ〉

藤井一興(ピアノ)

マイスター・ミュージック
MM-4076 ¥3000+税