高関 健(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

充実顕著なコンビの壮大な新シーズン開幕


 高関健の常任指揮者就任から丸5年、緻密さや表現の幅を着実に向上させながら好演を続けている東京シティ・フィル。新シーズンは、就任6年目に入る高関によるドイツ後期ロマン派の壮大な2曲で幕を開ける。

 4月定期の前半は、ブラームスのピアノ協奏曲第2番。スケルツォを含む全4楽章という協奏曲としては異例の構成、ピアノと管弦楽を巧みに同化させた内容から“ピアノ付きの交響曲”とも称される円熟期の傑作にして、後半に置かれることも多い大作だ。ピアノ独奏はデジュー・ラーンキ。古いファンには懐かしい“ハンガリー三羽烏”の一人として名を馳せた彼は、近年また頻繁に来日し、円熟した姿を披露している。ブラームスの2番は熟達したベテランでこそ味が出る作品だけにその至芸が楽しみだし、顕著に厚みを増した東京シティ・フィルの壮麗な演奏にも期待がかかる。

 後半は、R.シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」。トランペットの出だしでおなじみのスペクタクルな作品だ。冒頭部分はシーズン開幕に相応しく、パイプオルガンや鐘を含む豊かなサウンドと多彩な音楽は、オーケストラの醍醐味を満載。複雑な音の綾やオルガンをまじえたパワフルな音響の生体験自体が妙味十分である上に、東京シティ・フィルの現在の技量を知るにもってこいの作品でもある。ちなみにR.シュトラウスの交響詩が同楽団の定期演奏会で披露されるのは、高関就任後初めてのこと。満を持しての挑戦の成果が注目される。勝負のダブルメインともいえる本公演、ぜひ足を運んでほしい。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2020年4月号より)

*ピアニストのデジュー・ラーンキは、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響に伴い、来日できなくなりました。本公演は、開催に向けて公演内容等調整中。(3/24主催者発表)
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。

【information】
第333回 定期演奏会 
2020.4/11(土)14:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:東京シティ・フィル チケットサービス03-5624-4002 
https://www.cityphil.jp