垣内悠希(指揮) 愛知室内オーケストラ コンチェルタンテ・シリーズ第1回

多彩なソリストたちが登場する新企画が始動!


 愛知県ほか東海地方で活躍する演奏家で構成されている愛知室内オーケストラが、「複数の独奏楽器群による協奏曲」というユニークなシリーズを3月から始める。交響曲と独奏協奏曲の中間的な作品を、幅広い時代から継続的に取り上げるという。

 記念すべき第1回は、名古屋フィルの首席ゲオルギ・シャシコフら4人のファゴット奏者により、カール=ハインツ・ケーパー「ファゴットカルテットのための協奏曲『Fakturen』」が日本初演(世界初CD化の予定)されることが、大きな話題を呼びそうだ。ケーパー(1927-2011)はドイツの作曲家。今回の演奏は、世界初演をしたロシアの名手ワレリー・ポポフに捧げられる。
 華麗なヴァイオリンと陰影に富むヴィオラの対話が美しいモーツァルト「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲」では、コンサートマスター平光真彌と名手、川本嘉子の共演が楽しみだ。

 後半は、スペクタクルなシューマン「4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥック」を、ルツェルン祝祭管弦楽団日本公演にも参加した竹村淳司ら4人が演奏。最後は、シューマンの傑作「交響曲第2番」で締める。指揮は、2011年ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝し、一躍脚光を浴びた垣内悠希が務める。新鮮で充実したプログラムは、音楽ファンには聴き逃せないだろう。

 3月14日には常任指揮者・新田ユリが振る定期演奏会もあり、ベートーヴェン「交響曲第6番『田園』」のほか、聴く機会の少ないゲーゼの「交響曲第6番」も演奏されるので、注目したい。
文:長谷川京介
(ぶらあぼ2020年3月号より)


*新型コロナウイルスの感染症の拡大防止の観点から、本公演は延期となりました。(3/7主催者発表)
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。

2020.3/19(木)18:45 三井住友海上しらかわホール
問:愛知室内オーケストラ052-684-5355 
https://www.ac-orchestra.com