【CD】ラヴェル:ボレロ 他〜フランス管弦楽の色彩/飯森範親&日本センチュリー響

 飯森範親&日本センチュリー響の5年のコンビネーションの成果を明示したアルバム。全体に飯森のテンポ感の良さが際立ち、統一されたフレージングやアーティキュレーションが室内楽的ともいえる精妙な仕上がりをもたらしている。「ボレロ」は精度の高い妙技が展開され、「アルルの女」は〈メヌエット〉の美しさが特筆もの。「フランスの山人の歌による交響曲」は、飯森の明解な表現と瑞々しさを湛えながら煌めく横山幸雄のピアノが、意外と耳にする機会の少ない同曲の魅力を改めて伝えてくれる。「ローマの謝肉祭」のリズムも秀逸。南欧の佳き空気感が横溢した好盤だ。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2020年3月号より)

【information】
CD『ラヴェル:ボレロ 他〜フランス管弦楽の色彩/飯森範親&日本センチュリー響』

ラヴェル:ボレロ/ビゼー:「アルルの女」組曲 第2番/ダンディ:フランスの山人の歌による交響曲/ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」

飯森範親(指揮)
横山幸雄(ピアノ)
日本センチュリー交響楽団

収録:2019年7月、ザ・シンフォニーホール(ライヴ)
マイスター・ミュージック
MM-4072 ¥3000+税