ヨーロピアン・ジャズ・トリオ 第419回 日経ミューズサロン

洗練されたジャズで聴くクラシックの名曲


 今ある中で、おそらくもっとも叙情的な音楽を我々に届けてくれるピアノ・トリオの一つだろう。ヨーロピアン・ジャズ・トリオ(EJT)。1984年にオランダで結成されて以来——何度かのメンバー・チェンジはあったものの——30年近くにわたって欧州ジャズ・シーンの一角を担ってきた人気ユニットである。そのEJTが日経ホール主催「日経ミューズサロン」に登場する。ジャズ・スタンダードのみならず、ポップスや映画音楽、さらには日本の抒情歌や歌謡曲まで幅広いレパートリーを誇る彼ら。今回の公演でも多彩なジャンルの曲が披露される予定だが、中でも楽しみなのが特に彼らが得意とするクラシックのジャズ・アダプテーションだ。洗練の極みともいえるトリオ・サウンドで、バッハ、ショパン、マスネ等の名曲がどのように生まれ変わるのか。ホール・コンサートならではの、余韻のあるアコースティックを生かしたソノリティの妙と併せて、存分に味わいたい。
文:藤本史昭
(ぶらあぼ2013年11月号から)

★12月2日(月)・日経ホール
問 日経ミューズサロン事務局03-3943-7066 
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